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2006年5月11日 (木)

キラコタン岬

Dsc_00472 20代前半から、釧路は何度も訪ねていた。しかし、滞在日数を多くとれる余裕がなかなかない。なかでも、北方に位置する宮島岬、キラコタン岬は謎が多く、本を読んでも地図を見てもどの程度の奥深さなのかがわからない。結局、いままで二つの岬に近づいたことさえなかった。

2006年5月、久しぶりに釧路湿原を訪れる機会を得た。今回は2つの大きな目的を持っていた。ひとつは繰り返し訪れている湿原の東にあたる釧路川の畔にある「岩保木水門」の夕陽を撮ること、もう一つはキラコタン岬の突端へ行き、出来ればその近くに住んでいたという長谷川光二さんという人の家を発見することだった。長谷川さんは、東京出身、関東大震災を契機に北海道へ家族と共に移り住み、牧場を経営しながら、哲学的な思索を深め、俳句を残した人である。しかし、彼の情報も一冊の本に紹介されたものを読んだだけで確かな情報はなかった。

前日、岩保木水門の夕陽の撮影を行った私は、早朝まだ薄暗い中を鶴居村から車を岬へと進めた。岬へ続くと思われる道を本道から右折する。鹿が何度も表れ、時には車と接触しそうになる。まもなく、道は三つに分かれた。、右はおそらく今回は訪れることを断念している宮島岬へ続く道である。まっすぐは道が細く舗装されていない謎の道である。左がキラコタン岬への道に違いなかった。

くねくねとした道が予想以上に続く。湿原らしい風景が見られるが、キラコタンへの道が本当にこれなのかどうか判断は難しい。右に駐車スペースがあり、何の表示もないが本道とは違う細いとにかく道があった。

長靴に履き替えて、明るい日差しが降り注ぐ道を歩き始めた。鳥が多い。中でもオオジシギの派手な飛行が大きな音を立てている。沼があった。珍しく立て看板があった。

「天然記念物」

と、書いてある。しかし、何が天然記念物なのかは分からない。しかも、本当にこの先がキラコタン岬なのかという確証は何処にもない。

どろどろの道である。車の轍があり、車で入り込む人もいるらしい。遠くで鶴の鳴き声が聞こえた。先を急ぐと、前方の風景が開けた。鶴のつがいがこちらを警戒している。キラコタン岬の突端へやっとたどり着いたのだった。

昔、このあたりは海だったという。確かに、西に見える宮島岬とこのキラコタン岬は南へ着きだした岬のようだ。釧路湿原の朝日に輝く蛇行する川、そして鶴・・・・念願だった岬はややはり期待通りの美しさだった。それにしても何もない。長谷川光二さんの家もまだまだこの時点では、まったく未知の状態である。手がかりがいまだ全くなかった。しかし、今日中に見つけようとする、執念が私には沸々と沸き上がっていた。神もきっと力を貸してくれるに違いない。そんなふうに思いながら帰り道を急いだ。

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コメント

「キラコタン」という言葉のひびきがいいですね。ぼくも、いつか訪ねてみたいと思いました。

※この記事にヘンな(迷惑な)「トラックバック」が付いてしまいましたね。トラックバックを禁止にする設定もできますよ。

繰り返し、今後も釧路湿原を訪ねるつもりです。次回は宮島岬へも行きます。
トラックバック禁止に設定してみます。

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